直属の上司は支援責任者になれない?-登録支援機関への委託と外国人材雇用の注意点-

就労ビザを中心としたあらゆるビザ申請に関する書類作成と申請取次を行い、特定技能に特化したコンサルティングサービスも提供している、行政書士法人Climb 森山代表にお話を聞いた。

御社独自でベトナム人向けに「外国人就労ビザ」アンケートを取られたとの事ですが、どのようなことが分かったのでしょうか?

今回アンケートにより明確に出た数値としては、 全体の77%が特定技能に関心があるという事です。

ただ関心があるベトナム人のうち、「特定技能を取得したい」との回答は半分を下回りました。

なぜかと言うと、ベトナムもそうですがある程度の経済発展が進んでいる国からすると、 この特定技能の存在が労働者ビザのように下に見られてしまうところがあるからです。

ですので、ある意味他に道がないという理由で特定技能の在留資格を求めている状態になっています。

また、日本で働きたい業種の1位~3位は、外食産業、宿泊業、食品工場などの飲食料品製造業となりました。

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登録支援機関を使いたがらない受入れ企業様いらっしゃると思います。専門家の立場から、登録支援機関の活用方法についてアドバイスをお願いします。 

まずは自社で登録支援業務を行うことが入管に認められるかどうかを判断する必要があります。

原則として受入れ企業が全ての登録支援業務ができ受入体制が整っている場合に限り、「登録支援機関に全委託する」、もしくは「一部委託する」という選択肢になります。

どちらが良いという話ではなく、会社にとって最適な形を選んでいただけたらと思います。

ただ、登録支援機関は登録数が非常に増えてきています。その中でも弊社のような行政書士や行政書士事務所、監理団体や有料職業紹介会社などが一番多いです。

特定技能の新設を機に外国人関連のビジネスに新規参入している企業が多い印象で、「登録支援機関として登録しているが実際に支援業務をどうやればよいか」とお問合せをされる支援機関もいらっしゃるほどです。

支援業務しっかりと把握していない登録支援機関へ委託すると、特定技能人材への支援が不十分になってしまうリスクがあります。

支援が不十分な場合に関し、1度入管に指摘されたぐらいでは罰せられることはないと思われますが、使い続けることで受入れ企業側の責任になってくる可能性があります。

ですので、特定技能人材の日本での就労・生活において、登録支援機関の見極めはとても重要です。

受入れ企業側がある程度支援業務を把握しておき、そのうえで委託する登録機関が必要な支援業務をきちんとできるかヒアリングすることが大切です。

入管に登録支援機関として認められるための注意点について教えてください。

まず外国人支援のキャリア(経験)があるかということも求められます。

①「過去2年間に就労系の外国人の受け入れ実績がある会社もしくは法人」
②「過去2年間に外国人の相談業務に従事した経験がある法人または個人」
③「支援責任者または支援担当者が過去2年以上外国人の生活相談業務に従事したことがある」

上記のいずれもクリアしていない場合は、登録支援機関としての登録はできません。

また、自社で支援を行う場合も、登録支援機関へ委託する場合も、支援責任者と支援担当者を設ける必要があります

その中で、特定技能人材の上長は支援責任者として認めらない点も重要です

なぜなら支援責任者は会社と特定技能外国人双方にとって公平な目で見る必要があるので、支援責任者が上長や社長だとどうしても企業寄りになってしまうからです。

中小規模の会社において、部門が分かれていない組織体系の場合、直属の上司しか支援責任者にならざるを得ない場合は、登録支援機関への委託が必要になります。

最後に語学面です。

支援業務の大半は外国人の母国語、外国人が確実に理解できる言葉で行う必要があるので、これに対応できなければ支援業務を行うことはできません。

しかし、通訳会社を活用し対応することも可能です。

 

-受入れ企業と特定技能人材と結ぶ契約書について、教えてください。 労働条件通知書や雇用契約書を結ぶ上で、どのような注意が必要でしょうか? 

契約書に関しては、入管のフォーマットがありますので、そちらを使用することをお勧めします。また大前提にはなりますが、雇用契約書は母国語との併記が必要になります。

自社のフォーマットを使うのも自由ですが、入管のフォーマットにある規定を満たす必要が出てきます。

例えば、「有給休暇で一時帰国を制限しないこと」を認める文言が契約書に必要だったり、「特定技能の5年間が終了して母国に帰国する旅費がない場合、会社が負担すること」という文言も必要だったりします。

また日本人の場合は必須ではありませんが、特定技能外国人の場合は労災保険の明記も必要です。

さらに特徴的なものは、変則労働時間の場合、雇用契約書だけでは済まないケースがあるというものです。

この場合は、会社の業務カレンダー上がどうなっているかを証明するための書類を添付する必要がでてきたりします。

その他、注意点はありますでしょうか? 

給与面で日本人との比較が求められます。
最初の申請時は「〇歳の日本人の初任給は〇円」という記載が必要になります。

1年経って更新をする時は、比較のため日本人の賃金台帳も提出が必要となり、日本人と同等の給料だという証明が求められます。

他には、どこまで厳格に運用されているか分かりませんが、特定技能外国人の給与額を決める目安として「同じくらいの年齢で2ほどの経験を積んだ日本人」と同じ程度の給与額が求められるとの事です。

その理由は、特定技能評価試験に合格した外国人だからです。

技能評価試験に受かった外国人材が、2年間経験がある日本人と同等レベルかというと多少疑問が残りますが、政府の考えは上記の通りであるようです。

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