外国人材のマネジメントに大切なものは「信頼・約束・愛情」 | 特定技能online

年間1500件の在留資格申請を行う行政書士明るい総合法務事務所に聞く
外国人材のマネジメントに大切なものは「信頼・約束・愛情」

在留資格申請を年間1,500件行っている行政書士明るい総合法務事務所 代表の長岡先生からみて、新たな在留資格「特定技能」によって、どんな変化が見られますか?

特定技能のメリットについて

まず単純に、外国の方が日本で働くという選択肢が増えたこと自体がメリットといえます。労働力を欲する業界に人材が供給される道筋ができたということ、また外国の方にとっても日本という場所が魅力的な場所であれば、就労の選択肢が増えることになります。

選択肢としては技能実習も良いところがあります。労働力の搾取等、国内の暴力的な雇用環境がクローズアップされることがありますが、それはセンセーショナルだからでしょう。日本で働いてお金を稼ぎ、さらにはきちんと技術を習得する方もたくさんいます。

特定技能というのは、日本の会社の労務管理に関する縛りが非常に強いので、技能実習の代替となりうるという視点がまずメリットです。ただし、このメリットも、手放しに喜べるものではなく、やはりその縛りが強すぎるという印象も受けます。また、特定技能で外国人労働者を活用するにあたっては、コストがかかりすぎるという面で、発展途上の在留資格です。

どのようなポイントが制度としての課題になりますか?

その中で同一労働同一賃金の部分ですが、特定技能に限らず、やはり今、多くの労働の現場に影響を与えています。例えば、3~4年働いているスタッフと、新人スタッフとの賃金差が、非常に縮まっているのです。そこは新しく入った人の賃金を底上げするっという形で、差が縮まっています

しかし、残念な点として企業としては、売上の中から人件費含めて経費を払って利益を確保しなければいけないので、どこかで調整しなければいけません。その調整の方法として、全体の昇給ベースが落ちていくという問題が出ています
つまり、特定技能を導入した会社は、日本人を含めた全体の給与水準を落とす場合があるんです。新人に対するコスト増加をベテランの昇給機会減少で回収しようと考える動きがあります。

こうなると、特定技能外国人の受け入れを何のためにやっているのかと言われてしまうわけです。これがやっぱり同一労働同一賃金の問題点で、特定技能の最たるデメリットだと思います。

 

特定技能外国人を採用する際に、企業が気を付けるべきことを教えてください。

導入にあたって気をつけるべきことは、当然ですが、まず労基法に反しないこと。同時に、特定技能の利用条件として、会社都合での離職をさせていないことも条件になっています。会社都合での退職等が発生した場合、既に特定技能を導入している会社はその瞬間、特定技能利用できない会社になり、特定技能の外国人材は不法就労になってしまいます

つまりは特定技能を導入したら、その利用を続けたい限り、今後、様々な経営環境の変化があっても、事業の整理解雇ができないということです。ですから導入にあたって、自分たちがどうやってコストと向き合わなければいけないのかという総務管理をしっかり考えていかなければいけません

特定技能は急激な経営環境変化に耐えられる設計にはなっておらず、この点については完全な法制度設計上の不備と思われます。その不備を入管の「裁量」によって補う訳ですが、一般的に不見識な入管職員の裁量によってある会社の経営計画や単身日本に渡り頑張るある外国人の未来像が変化してしまうのを放置する法律というのも特定技能に係る法律が発展途上であると言えます。

しかし、特定技能制度は2年に1度の見直しが約束されている点は評価できます。しかし、見直しの際は「名ばかり有識者」や「御用有識者」だけではなく、「広く現場経験のある有識者」や「特定技能に関与する様々な立場の方」からも意見を集めるべきです。

外国人材のマネジメントとリスク管理面において

まず「信頼」を徹底して考えています。信頼を確保するためには、当然「約束」を守ること。それと、「愛情」です。これから申し上げることはすべてこの三点に結びつきます。

マネジメントで最も重要なのは、失敗してもいいから信用してあげることです。

例えば日本人の中には、日本語が上手じゃない人を“劣っている”と考えてしまう人がいます。特定技能の外国人の中には、日本語の能力が高くない人材もいます。そういう人を、自分よりも知能が低い人、仕事ができない人と見てしまう人がいます。

実はそうしたバイアスのかかった状態で特定技能を含めた外国人人材を活用すると、彼ら・彼女らは本当の力を出せなくなってしまうんです。“上司や同僚から信頼されていない”と彼らはとても敏感に感じてしまいますし、本来の仕事のパフォーマンスも出せません。

これは私の経験からはっきり申し上げますが、彼らが失敗してもいいから、“できる”と思って信用してあげて欲しいです。そうすると、期待している仕事の数値が1だとしたら、彼らは本当に1.5倍とか、2倍にして返してくれます。

約束を守ることも重要です。日本の場合、やはり求人票、ないしはその雇用契約書に書かれている内容と、実際の就業の環境が異なることがあります

しかし特定技能人材の採用においては、こういったことは絶対にあってはならないです。なぜかというと、我々日本人であれば、逃げることも、人に泣きつく事も容易です。家族の存在であったり友達とかの存在だったり。しかし、特定技能の彼ら・彼女らは、そういった信頼を裏切られた時に、逃げ道がありません。彼らは会社に愛想をつかせてしまいます。

日本人が、海外に行って外国人として働いた時に、言っていることやっていることが異なったら、どれだけ不安に思うかということを想像して頂ければ、約束を守ることの大切さは良く分かって頂けると思います。

今言った2点には、愛情が必要です。特に意識して欲しいと思うことは、外国人が単身日本にきている存在だということです。外国人コミュニティというのもありますが、それでも、自分が母国で培ったその家族の繋がりだとか、幼いころからの友達も繋がりと雲泥の差ですよ。

そういう意味で、非常に人間として不安を多く抱えている人たちだということを理解して、愛情を持って接していただきたいです。

また、特定技能外国人の離職理由として「期待していた仕事と違った」というものが多くあるように思います。現実としては会社側が虚偽の業務内容で外国人を採用している訳ではなく、外国人側が期待するキャリアステップと会社側が当然に考えているキャリアステップのギャップがあります。いわゆる外国人に下働きが当然としてあるというのは理解が難しいでしょうが、会社側としては下働きが当然としたバイアスがかかっていることがあります。

こうした些細な認識のずれにも気を配り、日本人に対する以上にキャリアステップに関する丁寧な説明を心掛ける必要があります。大変かもしれませんが以上の丁寧さと正直さは、外国人以上に外国人的であることもままある若い日本人の方々の定着性へも貢献するでしょう。

また、外国人雇用・マネジメントの中で、経営者が配慮すべきポイントは、人員計画に余裕を持って採用を行うことです。

外国の方は、故郷の家族が病気になった際に、日本人のように簡単に会いに行けるわけではありません。例えば、家族が重い病気になったり、亡くなったりしたときに、経営者が「いやそんなに仕事に穴を空けられたら困るよ」と言ったら、非常に信頼関係を失うと思います。

日本でのホリデーシーズンと海外のホリデーシーズン、例えば旧正月など、日本と制度上異なることがあると予め理解しておき、その時に欠員が出ないような人員配置をしておくのが理想です。先述のような緊急時に彼らの心情を汲む余裕ができ、全体の離職率が非常に下がります。もちろん特定技能の外国人をプラスワンしなくても、他の日本人を充ててもいいですよ。

このリスク管理は、外国人特有のリスク管理として意識すべきでしょう。

特定技能人材の採用をお考えの皆様へ

今まで外国人材を雇用された経験のない企業様も多いのではないでしょうか。

・日本語でのコミュニケーションに問題はないか?
・どのような仕事を任せられるのか?
・どの国の人材が良いのか?
・雇用するにあたり何から始めればよいのか?

…など、様々不安や疑問があるかと思います。

特定技能Onlineでは、外国人材紹介企業や、登録支援機関、行政書士事務所など、弊社がご面談をさせていただいたサポート企業を無料で紹介しています!

外国人材採用をご検討の方、是非一度お問い合わせくださいませ。

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