なぜ外国人雇用をジョブ型で行う必要があるのか | 特定技能online

【外国人雇用の法務・労務/第2回】外国人雇用は「ジョブ型」で考える

約250法人に対し、外国人雇用の面で継続的に法務・労務関連の支援を行うセンチュリー法律事務所。
外国人雇用・特定技能に関する書籍の執筆・出版も行っている。
(2020年3月時点で単著2冊、共著2冊を出版。2020年3月にも単著と共著をそれぞれ各1冊出版予定)

担当弁護士の杉田先生に、「外国人雇用の法務・労務」について聞いた。

-外国人を雇用する企業が把握すべき法令について教えてください。

大きな枠組みとしては出入国関係法令と、労働関係法令の二つです。

出入国関係法令は入管法と、代表的なものですと技能実習法を意識されるのではないかと思います。

労働関係法令に関してですが、日本には労働法という法律はなく、いろんな法律の寄せ集めの状態です。
例えば労働基準法や労働安全衛生法、最低賃金法で、このような法律を複合的に見ていく必要があります。

ある程度の規模で、社内体制も整っている企業ですと、労働法は既にご存じのことかと思います。基本的に社会保険労務士の先生が入ってることも多いですし、一般的に労務はカバーされている企業が多いのではないでしょうか。

-通常の日本人雇用の体制で整備されてるということでしょうか。

そうですね。日本人の雇用整備をしっかりと行っている会社であれば、労働関係法令の部分は把握されているという事です。出入国関係法令入管法と技能実習法については、日本人雇用の場合と対応が違うため、抜け漏れがある企業もあるようです。

日本企業の採用は、まず人ありきですよね。会社に合いそうな人材を採用して、その後にどんな仕事をさせようかという意思決定をする場合も多いと感じています。いろんな仕事を経験させて、会社のエキスパートになってもらうという発想です。この採用の考え方をメンバーシップ型の雇用と言っています。

ただ、外国人雇用においてはジョブ型の雇用を行わなければなりません。
最近、日経新聞でもこの言葉をよく見かけますが、ジョブ型採用は、ジョブディスクリプション(職務記述書)等で仕事内容を定義した上で行う採用活動です。まず仕事があり、仕事に合った人材を探し、採用するというのがジョブ型になります。

外国人雇用の場合、大前提として、在留資格の種類でどの仕事ができるのかという事が明確に決まっています
そのため、“どの仕事を行う人を採用する必要があるのか?”ということを定義したうえで、採用活動に移らなければならないという事です。つまり、必然的にジョブ型の雇用になるという事です。

メンバーシップ型の考えしか持たない企業では、外国人材を雇用した後に、“なんで外国人材には別の仕事を任せられないの?”という状況に陥ってしまう危険性があります。
例えば、 何も手当せず、入社後の数年間、OJT(On the Job Training)で現場に立たせることも違法になる可能性があります。知らず知らずのうちに、違法になっているケースも多いのです。

入管法は残念ながらジョブ型でできていて、かつ、働きに来る外国人もジョブ型の組織で育ってきています。日本のメンバーシップ型採用自体が世界的に見れば珍しく、自分たちの商習慣を客観的に理解するところからスタートしなければならないと感じています。

-技能実習生を既に雇用している企業が気を付けるべきことは何でしょうか?違反内容やその処分などについても教えてください。

まず、技能実習制度の目的に立ち返り、技能実習計画をしっかりと運用するという点に尽きるかと思います。技能実習制度の目的は、技能移転を通じた国際協力の推進にあります。

その目的に紐づいて、対象の職種・作業が82職種148作業と明確に決まっています。その技能がしっかりと移転されているかという事を確認するために、技能検定・技能実習評価試験があります。その試験をパスするために、ある意味必須科目のような位置づけで、業務内容を定義しているのです。

この考え方を理解していれば、必須業務を行わないという違反は無くなるはずです。

また、近年違反事例として、技能実習計画と照らし合わせた違反が非常に増えています。例えば、労働時間超過割増賃金の未払いなどです。その他、技能実習計画で示していない仕事を行っていたケースや、逆に技能実習計画で示していた必須業務を行っていなかったために違反とみなされるケースも出てきています。

“その仕事を現場では行っていない作業だから”という事は理由にならず、技能移転という目的を達成するための必須業務として、必ず業務経験を積ませる必要があるという事です。

違反した場合の処分としては、改善命令、もしくは技能実習計画の取り消しです。様々な要素を加味して、今からでも修正できるというものに対しては改善命令が下されている印象です。
それ以外の技能実習計画の取り消しの場合、技能実習生は転職するか、帰国するかという選択に迫られます。帰国旅費に関しては企業負担になります。

2020年1月のスーパーマーケットの事例では、60人の技能実習計画が取り消されています。
雇用側からすると、技能実習制度は労働力の需給の調整の手段ではないことは前提ですが、60人分の働き手が一度にいなくなってしまうだけでなく、その60人分の帰国旅費や新たに採用する場合の採用費用、教育のための時間的コストなど、大きな負の影響があります。

特定技能人材の採用をお考えの皆様へ

今まで外国人材を雇用された経験のない企業様も多いのではないでしょうか。

・日本語でのコミュニケーションに問題はないか?
・どのような仕事を任せられるのか?
・どの国の人材が良いのか?
・雇用するにあたり何から始めればよいのか?

…など、様々不安や疑問があるかと思います。

特定技能Onlineでは、外国人材紹介企業や、登録支援機関、行政書士事務所など、弊社がご面談をさせていただいたサポート企業を無料で紹介しています!

外国人材採用をご検討の方、是非一度お問い合わせくださいませ。

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