在留資格「特定技能」とは?メリットや注意点を紹介 | 特定技能online

在留資格「特定技能」とは?メリットや注意点を紹介

2019年4月、新たな在留資格である「特定技能」が新設されました。従来の日本は入国管理法上、専門技術や実務経験・技術を持つ外国人のみを労働力として受け入れる方針を取っていました。今回の新設により一定の技術を要しますが、産業・サービスの現場で働くことができる在留資格が新設されたのは、大きな変化と言えます。

こちらでは、日本の企業にとって新たな在留資格である「特定技能」の新設がもたらすメリットや利用する際の注意点をお伝えしてまいります。

日本の少子高齢化と労働力不足

総務省が発行する労働力調査年報によると、日本の労働力は2016年時点で6,648万人だったものの少子高齢化が加速して2025年までには6,149万人まで落ち込む見込みであるとのことです。

一方で、厚生労働省が発表する有効求人倍率は2018年9月の時点で1.64倍、つまり、有効求職者1名に対して1.64件の就職先がある状況となっています。労働力の需要が高いのに対し労働力の供給は減少傾向にある、つまり深刻な働き手不足というのが現在日本が置かれている状況なのです。
労働力需要を日本人だけでカバーすることが難しいため、外国人労働者を受け入れるために2019年4月に新設されたのが特定技能制度です。新しい在留資格「特定技能1号」の導入により、日本政府は2019年から5年間で最大34万人の外国人労働者を受け入れる予定です。

特定技能とは

特定技能とは、2019年4月に新設された在留資格です。特定技能の新設により、各省庁が選んだ「人手不足と認められる業界」に外国人の受け入れが解禁されます。その領域は従来の在留資格とは異なり高度・専門的なものである必要はありません。以下では新しい在留資格「特定技能」の詳細な内容や従来の制度との違いについて説明して参ります。

∟入管法の改正

従来、日本の入管法上では「技術・人文知識・国際業務」や「高度専門」などの専門的な知識や実務経験、技術などを持っている外国人材のみを専門的な職業で受け入れる方針を取っていました。今回、より幅広い職種において人材を受け入れるにあたり、入管法が改正され新しい在留資格である特定技能が新設されたのです。

∟在留資格(高度専門職/技術・人文知識・国際業務/技能実習など全29種類)

2019年4月に在留資格「特定技能」を追加し、高度専門職/技術・人文知識・国際業務などを含め、現在29種類の在留資格が存在しています。

特定技能を含めた、在留資格一覧については、出入国在留管理庁の在留資格一覧表(令和5年3月現在) を参照ください。

2019年の入管法改正により「特定技能」が新設され、一定の技術を要しますが、産業・サービスの現場で働くことが可能になりました。但し、特定技能で就労が可能なのは12種の「特定産業分野」に限られています。以前は14種でしたが2022年5月25日に素形材産業分野・産業機械製造業分野・電気電子情報関連産業分野の3分野が統合され、「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」という新分野になりました。

∟特定産業分野とは

2019年4月から在留資格「特定技能」が新設されたことにより、これまで一部例外を除いて外国人が就労できなかった、建設業界や造船業界、宿泊業界、外食産業などでも外国人の就労が可能になります。

とは言え、あらゆる業種で外国人の受け入れが可能になったわけではなく、受け入れ可能な業種は12分野14業種に制限されています。この業種は入管法で規定されているのではなく法務省令によって定められています。今後も状況に応じて柔軟に増減することが予想されます。

特定産業分野の定義は「生産性向上や国内人材確保の取組を行った上で、なお、人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野」とされています。つまり、人手不足に悩む産業が特定産業分野とされているのです。

∟受入れ業種と受入れ人数

2019年9月現在、特定産業分野には以下の産業が指定されており、それぞれの向こう5年間の受け入れ見込み数も発表されています。
尚、特定技能14業種の受入れ見込数合計は345,150人です。

1介護60,000人
2ビルクリーニング37,000人
3素形材産業21,500人
4産業機械製造業5,250人
5電気・電子情報関連産業4,700人
6建設業40,000人
7造船・舶用業13,000人
8自動車整備業7,000人
9航空業2,200人
10宿泊業22,000人
11農業36,500人
12漁業9,000人
13飲食料品製造業34,000人
14外食業53,000人

尚、初年度の受け入れ人数は約47,000人が想定されていましたが、特定技能施行から約1年経過した2020年3月末時点において受け入れは初年度の想定人数の1%に満たない3,987人に留まっていました。その後、コロナ禍の変遷を経て、2022年3月末時点での受け入れ人数は64,730人となっています。

人数が低迷している原因は派遣国側の準備が追いついていないことであるとされています。対象業種の技能試験も今後本格化する見込みであることから今後増加する可能性はあるものの、引き続き注視していく必要がありそうです。

∟特定技能1号・2号

在留資格「特定技能」は2種類に分かれています。

日本で就労を希望する人がまず取得するのは12分野14業種が対象となっている「特定技能1号」です。原則として、1号の修了者が試験に合格すると特定技能2号の在留資格を取得することができます

特定技能1号の在留期間は通算で5年となっており、他の在留資格を得ない限りは5年を超えて日本に留まることはできません。一方で特定技能2号は他の在留資格と同様に要件を満たしていれば更新することが可能であり、更新の回数に制限もありません。従って、特定技能2号の就労者は日本の永住者となり将来にわたって日本の産業を支えていく可能性があるのです。

但し、特定技能1号が12分野14業種を対象としていたのに対し特定技能2号の対象は、 造船・舶用工業と建設業のわずか2業種です。

残りの12業種にて就労していた外国人は、他の在留資格を得ない場合は特定技能1号の満了とともに日本に滞在することができなくなります。

在留資格「特定技能1号」の対象業種は以下の業種です。

建設業
造船・舶用工業
自動車整備業
航空業
宿泊業
介護業
ビルクリーニング業
農業
漁業
飲食料品製造業
外食業
素形材産業
産業機械製造業
電気電子情報関連産業
※素形材・産業機械・電気電子情報関連産業分野は各業種別で記載しています


特定技能2号の対象業種は以下の2職種です。

建設業
造船・舶用工業

1号では認められていない家族の帯同が特定技能2号においては認められています。

∟特定技能外国人の雇用形態

在留資格「特定技能」を用いて外国人を雇用する場合、原則として正社員として直接雇用することが必須となります。

但し、農業と漁業に関しては直接雇用だけでなく派遣会社からの労働者派遣の受け入れも可能となっています。これは、農業と漁業に限って季節による作業の繁忙期・閑散期が存在すること、そして同じ地域であっても収穫や定植などのピークが異なることから、繁忙期に労働力を確保し閑散期には複数の産地や品目で労働力を融通し合うといったニーズがあることによるものです。

∟特定技能と技能実習の違い

2019年4月に新設された在留資格「特定技能」と既存の制度である技能実習制度はどのように違うのでしょうか。制度の目的、対象国、スキームなどは異なっており、以下では混同されやすい特定技能制度と技能実習制度の違いを紹介します。

特定技能と技能実習の比較①:制度の目的

特定技能と技能実習制度の一番大きな違いは制度の目的です。
技能実習制度は、外国人技能実習機構によると『技能実習制度は、我が国で培われた技能、技術又は知識の開発途上地域等への移転を図り、当該開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的として創設された制度です。』
外国人に日本の優れた技術を身につけてもらい帰国後に母国の産業発展に活かしてもらうことが目的となっています。

一方で、2015年のJITCOの統計によると実際に外国人技能実習生の受け入れを行なっている企業の規模は10名未満規模が半数を超えており、受け入れを行なっている企業の約66%が従業員19人以下の中小企業であるとのことです。

国際貢献を目的として設置された技能実習制度に対して、在留資格「特定技能」は働き手不足の解消を目的として設立された制度です。従って、実情と照らし合わせてもねじれやミスマッチが起こりにくい現状に即した制度であると言えます。

特定技能と技能実習の比較②:受入れ国

国際貢献の仕組みである技能実習は、受け入れに当たって日本と相手国との国家間の取り決めが必要になります。2020年4月時点において取り決めがある国は以下の14カ国となっています。取り決めのない国から技能実習生を招くことはできません。

現在、技能実習生の受け入れに関して国家間での取り決めがあり迎え入れることができる国

インド インドネシア ウズベキスタン
カンボジア スリランカ タイ
ブータン パキスタン バングラデシュ
フィリピン ベトナム ミャンマー
モンゴル ラオス

一方、在留資格「特定技能」では、理論上はごく一部の国を除き、どこの国籍の方であっても迎え入れることが可能です。

また、令和2年4月1日より在留資格特定技能の受験資格が拡大されました。法務省によると、『過去に中長期在留者として在留した経験がない方であっても受験を目的として「短期滞在」の在留資格により入国し,受験することが可能となります。』との事です。

これにより、日本語試験や海外現地での技能評価試験を行っていない国の希望者であっても来日することでの受験が可能になりました。

特定技能と技能実習の比較③:スキーム

特定技能制度においては、他の在留資格同様、外国人労働者と受入企業間でスキームを構成します。両者の間で雇用契約が成立していることが就業の条件となります。外国人の日本における生活を支援するための組織である登録支援機関を任意で利用することもできますが、必須ではありません。出入国在留管理局への申請も含めて全て主体的に行う必要があります。

一方で、技能実習には5つもの当事者が関わっています。技能実習全体の97.2%を占める団体監理型の場合に絞って言うと、まず相手国にある送出機関(外国人技能実習生が帰国後に働く会社)と事業協同組合が契約を締結します。この契約に日本にある受入先の企業と技能実習を希望する外国人が参加し技能実習の受け入れが成立します。

引用:出入国在留管理庁「 新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組 」

∟特定技能外国人の転職の可否

技能実習制度を利用して日本で働く外国人は転職、即ち実習先企業の変更を行うことは認められていませんでした。

一方、在留資格「特定技能」においては同一の業務区分内に限り転職を行うことができますまた、試験等によって技能水準の共通性が確認されている産業に従事する特定技能外国人は一部業務区分を超えて転職を行うことができます。

例えば、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業の3つの分野では特定技能外国人に同一の「製造分野特定技能1号評価試験(溶接)」の合格を要件としているため、同試験に合格して来日している特定技能外国人はこの3つの産業内において転職を行うことができます。

日本においては憲法上職業選択の自由が認められており、当然日本で働く外国人にもこれは当てはまります。従って、労働条件や賃金によっては確保した外国人労働者が転職してしまったり、賃金が比較的高い大都市圏などに集中してしまう可能性もあります。

本件は2018年12月25日に「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針」が閣議決定された際にも論点となっており、基本方針には「特定技能外国人が大都市圏その他の特定の地域に過度に集中して就労することを防止する上で、必要な措置を講じる」という一文が盛り込まれました。

2019年9月、厚生労働省はこれに対して具体的な施策を発表しました。それによると、2020年度に全国5つ程度のモデル地域を選定し、特定技能の外国人の定着支援に乗り出す方針であるとのことです。同省はこの支援に際して同年度予算の概算要求に8億5千万円を盛り込んでいます。最初は5つのモデル地域のみでの運用となるものの、成果を検証した上で取り組みを全国に広げる方針です。

具体的には、公共職業安定所(ハローワーク)が地方の中小企業の求人情報を海外で紹介し、地方都市求人と外国人とマッチングを推進します。また、外国人が来日した後にも雇用契約書や安全管理マニュアルの翻訳など適切な労務管理ができているかを各地の労働局の職員によりチェックし助言する体制を整備するとのことです。厚生労働省のみならず、各自治体も外国人の生活支援に取り組む他、公営住宅や空き家を住居として斡旋することなども想定されているようです。

在留資格「特定技能」の取得

ここまで、在留資格「特定技能」の概要や受け入れが可能な産業分野について紹介してきました。在留資格「特定技能」ですが、受け入れ対象となる外国人へ一定の要件が課されます。

まず外国人の学歴についてですが、こちらは特に制限がありません。
但し、日本の労働法上18歳未満の労働者には保護規定が適用されることから、特定技能外国人は18歳以上である必要があります。
尚、在留資格認定証明書交付申請は18歳未満でも行うことができますが、日本に入国する時点において18歳以上である必要があります。

この他、特定技能制度特有の要件として課されるのが「特定技能評価試験の合格」または「技能実習の修了」です。この2つはそれぞれどのような内容なのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

∟技能評価試験について

特定技能評価試験は「技能試験」と「日本語能力試験」の2つの試験からなります。
難易度や基準は各団体が求める水準をもとに定められています。

技能試験は、各分野で即戦力となれるレベルを基準として定められています。

日本語能力水準は国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力検定によって測られます。
日本語レベルについては、特定技能に指定されている多くの業種において日本語能力試験のN4レベル(基本的な日本語が理解できる程度)が想定されています。

∟技能実習の修了

技能実習を2年10か月以上、良好に修了した外国人が在留資格「特定技能」への変更を希望する場合においては、必要な技能水準及び日本語能力水準を満たしているものと判断され、前項でお伝えした技能試験や日本語試験は免除されます。

在留資格「特定技能」で採用する日本企業がやるべきこと

ここまで、在留資格「特定技能」の概要や受け入れ対象となる外国人が満たすべき要件などをお伝えして参りました。以下では、特定技能を利用して採用を行いたい日本企業が満たすべき要件をお伝えして参ります。

∟賃金等の条件の確認

まず最初に確認しておかなければならないのは、賃金等の条件です。特定技能制度は労働力不足を解消するために新設された在留資格であり、安価な労働力を確保するためのものではありません。

従って賃金規定がある場合は、特定技能で外国人を雇用する際には同等の経験を有する日本人と「同等以上の条件」で雇用する必要があります。

尚、同じ職場において技能実習生を採用している場合、特定技能1号が技能実習2号修了と同程度の技能を持っているものとされているため技能実習生(2号)よりも特定技能外国人の給与を高く設定する必要があります。

∟支援体制構築および支援計画書の作成

在留資格「特定技能」を利用して外国人労働力を受け入れる場合、母国を離れて仕事をする外国人に定着してもらうために支援体制を構築し、支援計画書を作成することが必須となります。特定技能外国人の支援としては以下のようなものがあります。

引用:出入国在留管理庁「 新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組 」


∟在留資格「特定技能」で受け入れる外国人を探す

特定技能制度を利用した外国人の受け入れ体制を整えた後は、雇用する特定技能外国人を探しましょう。先述の通り、外国人が在留資格「特定技能」を取得するためには技能試験および日本語試験に合格しているか、技能実習を修了している必要があります。

送り出し機関を利用する場合はインターネットで検索して探すことができますが、得意な分野が事なる場合もありますので、慎重に検討する必要があります。利用する前には詳細に話を聞き、良質な送り出し機関を見極めた上で契約手続をしましょう。実際に受け入れる人物を検討する際にも、日本人を採用する場合と同様に慎重に検討を行う必要があります。やむを得ない場合にはテレビ会議のような形で面談を行うこともありますが、現地を訪問して直接話すのがオススメです。

無事に優秀で要件を満たす人材を見つけ、採用手続・雇用契約・事前ガイダンスや健康診断を完了した後は、いよいよ在留資格「特定技能」を得るための「在留資格認定証明書」の交付申請を行います。

特定技能外国人の居住予定地または受入れ機関の所在地の管轄である出入国在留管理局に届け出を行います。
必要書類については法務省のホームページに記載があるので適宜ご参照ください。
在留資格「特定技能」 | 出入国在留管理庁

登録支援機関とは

先述の通り、特定技能外国人の雇用に当たっては支援体制を構築し支援計画書を作成する必要があります。しかし、支援の内容が多岐に渡っており受け入れ企業にとっては負担となる可能性もあります。また、この支援計画書は最初に提出した後に四半期毎に実施状況を届け出る必要がある他、変更があればもちろんその都度報告する必要があります。

これらの届け出が負担になる場合、全てを自社で行わずに一部もしくは全部を外部機関である「登録支援機関」に委託することができます。(※一部委託の場合、受入れ企業側にも支援の届け出義務が残ります。)

登録支援機関とは、出入国在留管理庁長官の登録を受けた機関であり、特定技能所属機関に委託されて特定技能外国人の支援計画の作成・実施を行います。委託によるコストはかかるものの、多くの書類作成や手続から解放され業務に専念することができるのは大きなメリットと言えます。

登録支援機関は法務省のホームページにリストが掲載されており問い合わせをすることが可能です。
2023年2月24日時点で、7,912件が登録されています。

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在留資格「特定技能」で受け入れる際の注意点

その他、特定技能で外国人労働者を受け入れる際には以下のような内容についても注意する必要があります。

∟出入国に関する法令

在留資格「特定技能」で入国する外国人についても、出入国に関する法令の対象であり遵守する必要があります。

例えば、有効な旅券を所持しない、又は上陸許可証印や上陸許可を受けないで日本に入国すること、在留資格の活動以外の収入を伴う事業運営活動や報酬を受ける活動を行うこと、在留期間の更新又は変更を受けないで在留期間を経過して本邦に残留することなどは禁止されています。

∟社会保険関係法令

特定技能外国人の受入れ機関が特定技能外国人を受け入れる際、申請書類の添付書類の一つとして、地方出入国在留管理局に対して「社会保険関係の保険料の納付状況を確認できる書類」を提出することが必須とされています。

従って、特定技能外国人の受入れ機関は、社会保険や労働関連の法令を遵守している企業である必要があります。もし受け入れ機関が法令上社会保険に加入義務がある場合、社会保険に未加入の状態では特定技能制度を利用して外国人労働力を受け入れることができません。「社会保険関係の保険料の納付状況を確認できる書類」は、日本年金機構において交付が可能です。

∟雇用契約に盛り込む事項の確認

受け入れに際しては特定技能外国人と雇用契約を結ぶ必要があります。

この雇用契約は入管法上「特定技能雇用契約」と呼ばれており、盛り込まなければならない事項が規定されています。つまり、この特定技能雇用契約は日本人と締結する雇用契約同様に労働法の規定を満たしている必要がある他、入管法で規定する事項にも対応している必要があります。

特定技能雇用契約に必須となる入管法規定の事項には以下のようなものがあります。

一時帰国のための休暇取得に関する規定:受入先の企業は特定技能外国人から申し入れが合った場合、業務上やむを得ない事情がある場合を除き何らかの有給休暇を取得できるよう配慮する必要があります。労働基準法で規定される有給休暇が残っていない外国人についても無給休暇を取得できるよう配慮する必要があります。
帰国担保措置に関する規定:特定技能外国人の帰国費用については原則外国人が自己負担するものとなっていますが、万一負担できない場合には受入先企業がその費用を負担し、手続等の措置を行う必要があります。
健康状況その他の生活状況の把握のための規定:特定技能外国人が日本で安定的に就労するために必要な健康診断や聞き取りなどについて規定する必要があります。

∟罰則や行政処分

在留資格「特定技能」で外国人を受け入れる機関はその状況につき随時又は定期的に届け出を行う義務があります。届け出を怠ったり違反があった場合には指導や罰則の対象となるので注意が必要です。対象となる届出には主に下記のようなものがあります。

【随時の届出】

特定技能雇用契約の変更,終了,新たな契約の締結に関する届出
支援計画の変更に関する届出
登録支援機関との支援委託契約の締結,変更,終了に関する届出
特定技能外国人の受入れ困難時の届出
出入国又は労働関係法令に関する不正行為等を知ったときの届出

【定期の届出】

特定技能外国人の受入れ状況に関する届出(例:特定技能外国人の受入れ総数,氏名等の情報,活動日数,場所,業務内容等)
支援計画の実施状況に関する届出(例:相談内容及び対応結果等)※支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託した場合を除く
特定技能外国人の活動状況に関する届出(例:報酬の支払状況,離職者数,行方不明者数,受入れに要した費用の額等)

引用:出入国在留管理庁「在留資格「特定技能」について」

また、受け入れた外国人が受入先企業有責の事由により失踪してしまった場合(長時間労働や劣悪な環境での労働、給与の未払い等)や、外国人が特定技能の満了後に帰国せず違法に在留した場合にはその後他の労働者を受け入れようとした際に特定技能の在留資格が許可されなくなるなどのペナルティを受ける可能性があります。

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2019年に成立した在留資格「特定技能」により、日本国内に外国人人材の受け入れが始まりました。
特定技能で外国人材を採用する企業が着実に増える中、特定技能人材側の転職希望者も増えてきました。

そもそも特定技能は日本人と同等条件での就業が前提。
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