特定技能「電気・電子情報関連産業」|外国人を雇用するために必要な準備・ステップ・注意点とは? | 特定技能online

特定技能「電気・電子情報関連産業」|外国人を雇用するために必要な準備・ステップ・注意点とは?

▼特定技能「電気・電子情報関連産業」とは

特定技能の「電気・電子情報関連産業」は、 2019年4月に出入国管理法(入管法)が改正され、新しい在留資格「特定技能」により、外国人技術者の受け入れが電気機器類を製造する業界でも可能となった新たな在留資格です。

特に近年では自動車の電動化が顕著であり、外国人労働者の受け入れを進めることで、自動運転が可能な自動車の製造力を向上させるなど、国内産業の発展が期待できます。

この記事では、特定技能「電気・電子情報関連産業」の試験から、活用可能な技術ジャンル(職種)、労働者採用の際に必要となる資格の申請において必要な準備、ステップ、注意点を解説していきます。

-特定技能「電気・電子情報関連産業」受入れ人数

特定技能「電気・電子情報関連産業」においては、受け入れの上限人数が予め定められており、特定技能1号ビザ発行上限(=日本国内での受け入れ人数の上限)は5年間で最大4700名とされております。

2020年4月からは受験可能な在留資格が見直され、これまで「中長期で在留を認められた者」しか受験できなかったものが、4月以降は在留資格を持っていれば受験が可能になります。

▼電気・電子情報関連業界の現状

経済産業省によると、この分野では自動車の電動化などが進んでおり、電子部品を製造する事業者でも人材不足が年々深刻になっています。

IT化やAIなどの新興産業と相性がいいため、省人化が進められ生産性は年間2%ほど向上する一方で、旺盛な労働需要の拡大にテクノロジーの進歩が追いついていないこともあり、このままいくと5年後には6.2万人の人手不足になると推計されています。

すでに業界全体の求人倍率は2017年時点で2.75倍。またそのなかでもプラスチック製品・製造工 3.70 倍、製品包装作業員 3.60 倍など、すでに深刻な求人難となっている業種も見られます。

ー技能実習「製造業」

すでに知られている通り、この業界では外国人労働者に助けられている性格が強く、厚生労働省によると国内産業で最も外国人労働者を受け入れているのは製造業とされています。

2016年より技能実習生の受け入れは行われ、大変優秀な外国人労働者が訪日し、数多くの事業所で生産活動に貢献しています。

一方で、技能実習は期間が3年と定められていることもあり、いずれは帰国する必要がありました。場合によっては不法滞在となってしまう外国人の存在も、一部マスコミなどで報道されています。

特定技能はこうした、技能実習の期限切れ外国人の労働力を5年間延長して確保するといった側面もあり、現状では特定技能人材の多くは技能実習生からの切り替え人材です。

特定技能人材は即戦力となる人物のみが対象で、経験のある求職者を採用することで持続可能な国内産業を保全したいという思いもあるようです。国からも積極的な活用が望まれているといっても過言ではありません。

▼特定技能「電気・電子情報関連産業」の資格を取得するには

この特定技能の資格を取得するには、「製造分野特定技能1号評価試験」の合格が必要です。製造分野特定技能1号評価試験は業種ごとに13種に分かれ、それぞれの業種における加工や設備保全等の技術が上長の指導、または自発的に行えるレベルかどうかをチェックします。業種は以下の13種類に分類されています。

 ▶ 機械加工
 ▶ 金属プレス加工
 ▶ 工場板金
 ▶ めっき
 ▶ 部品の仕上げ
 ▶ 機械保全
 ▶ 電子機器組立て
 ▶ 電気機器組立て
 ▶ プリント配線板製造
 ▶ プラスチック成形
 ▶ 塗装
 ▶ 工業包装

あわせて、各検定機関の運営する日本語能力試験に合格する必要があります。
日本国際教育支援協会(JLPT)の運営する日本語能力試験の「N4」レベル、または国際交流基金の運営する日本語基礎テストに外国人を合格させなくてはなりません。

N4は日本語能力試験の5ランクある中で下から2番目の難易度にあたります。
合格するには、日常会話レベルの日本語力が必要です。JLPTでは「基本的な語彙や漢字を使って書かれた身近な文章を読んで理解できる」「ややゆっくりと話される会話であれば内容がほぼ理解できる」難易度と定義しています。

なお、技能実習2号を良好に修了している場合は、日本語能力水準について試験その他の評価方法による証明は要しないこととされています。

▼特定技能「電気・電子情報関連産業」の申請書類

電気・電子の分野において、申請には製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会のウェブサイトからアクセスできる、入会申請システムに情報を入力する必要があります。

必要になる情報は、

 ・法人番号
 ・社名
 ・代表者名
 ・住所
 ・会社のHPもしくは事業概要
 ・担当者名
 ・電話番号
 ・メールアドレス

となります。また、事業に関する資料をPDF形式でアップできるようになっております。任意ですが、もし企業内に関連する資料があれば添付しましょう。審査がスムーズになる可能性があります。

評議会では、外国人受け入れに関する政策の最新情報や、各事業者の優良事例などが多数掲載されており、外国人労働者の受け入れを行っている事業者、あるいは今後特定技能人材の受け入れを検討している事業者は必見です。

▼特定技能「電気・電子情報関連産業」の対象職種・雇用形態・任せられる業務・報酬について

-対象職種

電気・電子の分野において、特定技能人材の受け入れができる産業は限られます。具体的には、「日本標準産業分類」の以下28~30のいずれかに該当する分野が対象です。

28 電子部品・デバイス・電子回路製造業
29 電気機械器具製造業(ただし、2922 内燃機関電装品製造業及び素形材産業分野に掲げられた対象業種を除く。)
30 情報通信機械器具製造業

-雇用形態

 雇用は直接雇用のみ。派遣は不可能です。

-任せられる業務

 各業種で任せられる業務は以下にある一覧のとおりです。

機械加工…
・普通旋盤
・フライス盤
・数値制御旋盤
・マシニングセンタ
・金属プレス加工…
・金属プレス

工場板金…
・機械板金

めっき…
・電気めっき
・溶融亜鉛めっき

仕上げ…
・治工具仕上げ
・金型仕上げ
・機械組立仕上げ

機械保全…
・機械系保全

電子機器組立…
・回転電機組立て
・変圧器組立て
・配電盤・制御盤組立て
・開閉制御器具組立て
・回転電機巻線製作

プリント配線…
・プリント配線板設計
・プリント配線板製造

プラスチック…
・圧縮成形
・射出成形
・インフレーション成形
・ブロー成形

塗装…
・建築塗装
・金属塗装
・鋼橋塗装
・噴霧塗装

溶接…
・手溶接
・半自動溶接

工業包装…
・工業包装


また、上記以外の業務が全く認められないということではなく、「当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(金属プレスの例:材料・製品の運搬、加工品の切削・バリ取り・検査業務等)に付随的に従事することは差し支えない。」としています。

参考:「電気・電子情報関連産業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」に係る運用要領

 -報酬

給与は原則、同じ労働を行う日本人と同水準、またはそれ以上にしなければなりません。
特定技能の外国人には、「月給制」により報酬を安定的に支払いましょう。従来の技能実習では外国人技術者の買いたたきがグレーゾーンの問題とされてきましたが、今回の特定技能においては明確に労働基準法違反となります。
さらに技能習熟に応じて昇給を行う旨を明記する必要があります。

▼特定所属機関(受け入れ企業)の注意点

特定技能人材の受入企業においては、製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会に加入する必要があります。これは、経済産業省、法務省、地方自治体と、素形材産業分野・産業機械製造業分野・電気・電子情報関連産業分野の、いわゆる「製造業3分野」からなる組織で、特定技能人材の円滑かつ公平な受け入れを行おうとする機関となります。

参画法人は、製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会からの一般的な指導、報告の徴収、資料の要求、意見の報告又は現地調査の協力要請に従う必要もあります。

また、受け入れ人数は5年間で4700人と現在は定められており、また特定技能人材であれば転職も可能であるため、時間の経過に伴い、日本人と同等の採用何度に達する恐れがあります。早期の動き出しが重要になるでしょう。

▼特定技能試験の内容

試験は、公益社団法人国際人材革新機構が運営を行っています。
現地語で出題され、9カ国の言語に対応する予定です。
1月にインドネシア・スラバヤで行われた溶接職種の試験はインドネシア語で行われました。
学科試験、実技試験からなり、コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式かペーパーテスト方式、あるいは実技では製作等作業試験方式を今後も予定しています。

合格基準は学科試験の場合、65%以上の正答率

実技試験の場合は、
・製作等作業試験方式を採用する試験区分判定方法は各々の試験区分により設定
(溶接:手溶接作業はJIS Z 3801、半自動溶接作業はJIS Z 3841に基づいて判定)

・上記以外の試験区分:60%以上
(https://sswm-exam.go.jp/)

となっています。

なお、試験内容について、公益社団法人国際人材革新機構は大まかな難易度を以下のように告知しています。

溶接協会ホームページに掲載してある、技能実習評価試験(専門級)試験の問題例をご覧ください。

製造分野特定技能1号評価試験の試験基準は、特定技能1号の試験免除となる技能実習2号修了者が受験する技能検定3級試験(技能実習評価試験(専門級))としております。

問題集から抜粋すると、

★次の文は、機械的接合法(ボルト・ナット・リベット等)と比べた時、溶接の良いところについて述べたものである。正しいものを一つ選びなさい。

1.溶接で作った製品は水が漏れやすい
2. 溶接で作ると、製品の値段が高くなる
3. 溶接で作ると、製品の重さを軽くすることができる。


★次の文の中から間違っているものを一つ選びなさい

1. ブローホールとは、溶接金属の間にガスが残ったものである
2. アンダカットとは、ビードと母材の間にできたみぞである
3. オーバラップとは、ビードと母材の間が溶けたところである

※原文では、すべての漢字にルビ形式のよみがなあり。

【試験問題サンプル】
http://www.jwes.or.jp/mt/shi_ki/jitco/pdf/m_senmon.pdf

▼試験申し込み

試験申し込みは、国や業種により微妙に異なります。参考までに1月にインドネシアで行われた試験での流れを以下に紹介します。

1)受験申込
 ウェブサイト上の専用申込フォームから申し込む

2)申込内容の確認後、受験番号送付
 確認後、受験番号と受験手数料の納付方法をEメールで送付。

3)受験手数料の納付 
 Eメールで通知された納付方法に従い、受験手数料を納付。これにより申し込み完了扱いとなります

4)受験票等の送付 
 受験票がEメールで送付されるので、印刷して受験日当日に持参するか、スマートフォン等の画面に表示して試験日に受験する。

特定技能「電気・電子情報関連産業」人材を採用するには

採用のルートは国により異なり、製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会にて詳細を確認することをおすすめします。

例えばカンボジア人の場合は現地の斡旋事業者と国内の人材紹介会社を経由しての採用となり、インドネシアやネパールの場合は現地の送り出し法人から斡旋してもらう形になります。フィリピンは少々複雑で、駐日フィリピン大使館海外労働事務所(POLO)が許可を出した後に、フィリピン海外雇用庁(POEA)に認定を受けた現地の斡旋業者が人材を集め、送り出しを行う仕組みです。

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2019年に成立した在留資格「特定技能」により、日本国内に外国人人材の受け入れが始まりました。
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そもそも特定技能は日本人と同等条件での就業が前提。
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